屋根材「スレート瓦」の特徴と選び方

一昔前まではずっしりと重い瓦が主流でしたが、現在は洋風デザインの戸建て住宅も増えてきたことで屋根材にもさまざまな種類が使われるようになりました。

そのなかでも「スレート瓦」は、従来の粘土瓦に比べて軽量で低価格、なおかつデザインも豊富です。

今日は、スレート瓦の特徴やメリット・デメリット、住まいを長持ちさせるためのメンテナンス方法についてご紹介していきます。

スレート瓦とは

スレート瓦（化粧スレート）とは、主原料のセメントと繊維素材を高圧プレスによって薄い板状に加工し、その上から塗装を施した屋根の仕上げ材のことです。

住宅用に使用されるスレート瓦は、別名「カラーベスト（商品名）」「コロニアル（商品名）」とも呼ばれています。

一般的にスレート瓦は約5mm前後で、重量も粘土瓦の約半分です。施工をしやすく、デザインバリエーションが豊富なため、和風・洋風どちらの家にも馴染みやすいのが特徴です。

さらに、比較的安価な屋根材なので初期費用を抑えたい方におすすめですが、長持ちさせるためには塗装などのメンテナンスが重要になります。また、スレート瓦は雪下ろしができないため、豪雪地帯には適しません。

本来スレートは、石板（粘板岩）のことを指します。スレート瓦には、「天然スレート」と「化粧スレート」の2種類がありますが、天然スレートは非常に高価なため、住宅には化粧スレートが使われることがほとんどです。

粘板岩などを原料とした天然スレートは耐久性が高く、色褪せもしません。天然素材の風合いを活かし、ヨーロッパのお城や日本では東京駅の屋根に用いられています。

セメント系に分類されるスレート瓦以外にも、金属系や粘土系の屋根材があります。

金属系屋根材には、ガルバリウム鋼板、エスジーエル鋼板があります。軽量で防水性が高く、薄型でシンプルなデザインが特徴です。

粘土系屋根材には、日本の住宅を代表する和瓦があります。耐用年数は50年以上ありますが、工事費用が高額になりやすく建物の耐震性の補強も重要です。

スレート瓦（化粧スレート）屋根のメリットとデメリットについて解説します。

スレート瓦本体が比較的安価です。なおかつ軽量で品質が均一なため、運搬コスト・施工費用も安い傾向にあります。

また、現代の日本住宅におけるシェア率が高いスレート瓦は、施工できる職人が多いのもメリットです。

スレート瓦は1㎡あたり約20kgで、粘土瓦と比べるとスレート屋根の重さは約半分になります。地震の多い日本において、建物の耐震性を高めるために軽いスレート瓦を選択するのもおすすめです。

スレート瓦はデザイン性が高く、さまざまな屋根の形に合わせて柔軟に設計することができます。

また、豊富なカラーバリエーションも魅力で、なかでもブラック系・グレー系・ブラウン系などのスタイリッシュカラーが人気です。

厚さ約5mmのスレート瓦は、割れやすいデメリットがあります。そのため、屋根の上に登って雪かきをするような豪雪地帯ではスレート瓦を使うことはできません。

もし、経年劣化や飛来物によってひび割れが起こってしまった場合、接着剤やシーリング材で部分補修をしたり、部分交換やカバー工法などを行なったります。

スレート瓦は防水性が低下すると、吸水しやすくなる特徴があります。建材の劣化を防ぐためにも、定期的に防水性を高める塗装が重要です。

屋根塗装を行なうことで、色あせやコケの繁殖などにも効果があります。

スレート瓦の耐用年数は、一般的に約15年〜20年とされています。屋根をきれいな状態で保つためには、5年〜10年ごとの定期点検がおすすめです。

主に屋根の再塗装では、見た目がきれいになるだけでなく、スレート瓦の防水性や耐久性を強化することができます。

「再塗装」のほか補修が必要な場合、既存のスレート瓦の上に新しいスレート瓦をかぶせる「カバー工法」や、スレート瓦を一新する「葺き替え」も選択肢として挙げられます。

屋根の状態や築年数などを考慮して、屋根工事の専門家とメンテナンス方法を決めましょう。

スレート瓦は、軽量で耐震性に優れ、初期費用を比較的安く抑えることのできる屋根材です。

一方ほかの屋根材と比較して、ひび割れや色褪せが起こりやすく、定期的なメンテナンスが重要になります。

屋根の点検はご自身では難しく、高所作業では危険を伴うため、プロに相談するようにしましょう。アイビーリフォームでは、極めて高い専門性が求められる「屋根塗装」から「屋根葺き替え工事」まで、責任を持って対応しています。神奈川県厚木市エリアでお困りの方は、地元で数多くの実績を誇る私たちにご相談ください。