かつて日本の家は「瓦屋根」というイメージもありましたが、現在は「金属屋根」が最も多く用いられています。
そして、技術の発達により金属屋根の種類も増えました。ガルバリウム鋼板やトタンなどの種類の中で、最も機能性に優れていて長持ちするものはどれなのでしょうか。
今日は、金属屋根の種類とそれぞれの特徴についてお話ししていきます。住まいに最適な屋根材選びやメンテナンスの参考にしてみてください。
金属屋根とは
金属屋根とは、金属板を使用した屋根のことをいいます。日本の屋根材の素材別シェア率は、金属屋根が全体の6割以上です。(引用:株式会社矢野経済研究所「2021年度 国内屋根材市場における素材別シェア」)[1]
ナンバーワンのシェア率を誇る金属屋根の中でも、新築戸建て住宅に多く採用されるのが「ガルバリウム鋼板」という素材で、金属なのにサビに強いという特徴があります。
重たいと思われがちな金属屋根ですが、実は非常に軽量で、建物の耐震性向上が見込めるのも人気の理由です。
金属屋根の葺き方によっても、意匠を凝らすことができます。「縦葺き」「横葺き」「平葺き」「折板」など建物にマッチする好みの形を探してみましょう。
金属系以外の屋根材
金属系以外にも、セメント系や粘土系の屋根材があります。
10年ほど前までは最もシェア率の高かったセメント系(化粧スレート)の屋根材は、施工しやすく初期費用を抑えられるのがメリットです。ただし、小まめに表面の塗装メンテナンスが必要になります。
粘土系の屋根材は和瓦などです。伝統的な日本建築の外観が魅力で、耐久力も50年以上とされています。
金属屋根の種類一覧
金属屋根の特徴を種類ごとに確認していきましょう。
さまざまな種類のある金属屋根は、素材の特徴を活かして戸建て住宅以外にもさまざまな建物で使用されています。
ガルバリウム鋼板
金属屋根の代表的な素材で、現在多くの戸建て住宅に採用されています。1972年にアメリカ合衆国のベスレヘム・スチールが開発しました。
ガルバリウム鋼板は、亜鉛とアルミニウムの合金を表面にメッキした鋼板のことです。
耐用年数は20年〜30年。価格も金属屋根の中ではお手頃です。ただし潮風には弱く、年数が経つと錆びてしまうこともあります。
次世代ガルバリウム鋼板(エスジーエル鋼板)
エスジーエル鋼板は、ガルバリウム鋼板をベースにマグネシウムの防錆効果をプラスしたものです。
日本製鉄グループが開発した比較的新しい素材で、従来のガルバリウム鋼板に替わる次世代の鋼板として注目を集めています。
エスジーエル鋼板はガルバリウム鋼板の3倍超の耐久性があるとされ、とくに沿岸地域において防錆性に優れているとされています。
トタン
トタンは、亜鉛メッキ鋼板のことです。国内では1906年に官営八幡製鉄所で作られて以来、1990年代頃までは金属屋根の主要な素材として用いられていました。
素材自体が低コストで、施工も簡単に行なえる特長があります。ただし、耐震性や耐久性に優れる新たな素材が登場し、最近の新築戸建て住宅でトタンはあまり採用されません。
ステンレス
ステンレスは、鉄、クロム、ニッケルを含んでいる合金の金属です。
ガルバリウム鋼板と比較すると高い耐久年数を持ち、錆びにくいのがメリットです。
高額かつ施工できる職人が少ないため、戸建て住宅で採用されることはほとんどありませんが、海の近くなど塩害で屋根が錆びやすい地域の建物や、耐久性が重要視される大型建築に選ばれています。
チタン
金属屋根の種類の中でも、圧倒的な耐久性を誇るのがチタンです。
ステンレスよりもさらに錆びにくく非常に軽量。強度もあるため、寿命が長い金属屋根になります。その分、施工費用は高額です。
浅草寺や東京ビッグサイトなどの有名な建築物に採用されています。
銅板
銅板は軽量で加工がしやすく、非常に高い耐久性を持っています。神社仏閣などの屋根に多く使われる素材です。
初めは光沢のある茶色をしていますが、年数が経過すると表面が錆びて緑青色へと変化します。
年月と共に風合いの変化と重厚感を楽しめるだけでなく、緑青の発生によりサビへの抵抗力を高める効果があります。
まとめ
金属屋根は、現在、戸建て住宅の多くに採用されています。
雨水や災害から建物全体を守ってくれる屋根だからこそ、素材選びにもこだわりたいものです。
主流の「ガルバリウム鋼板」は、耐用年数が20年〜30年とされています。
屋根に気になる箇所や劣化症状が発生したら、「部分補修」「再塗装」「カバー工法」「葺き替え」などのメンテナンスを行ないましょう。
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