「塗装では下地が重要」と聞くものの、下地がどこを指すのか、実際にどんな役割があるのか、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
外壁や屋根の塗装リフォームでは、この下地の状態が仕上がりの美しさや塗装の持ちに大きく影響するのです。
今回は、「塗装の下地とは何か?」という基本から、実際にどんな下地処理が行なわれるのか、そして下塗り塗料の選び方までをわかりやすく解説します。初めて外壁塗装を検討する方にも安心して読んでいただける内容です。
塗装の下地とは?基礎知識
塗装リフォームを成功させるうえで、意外と見落とされがちなのが下地の存在です。どんなに高品質な塗料を使っても、下地が整っていなければ本来の性能は発揮できません。
ここでは、そもそも「下地」とは何を指すのか、どんな種類があるのかなど、わかりやすく解説します。
そもそも「下地」は何を指すのか
塗装における「下地」とは、塗装の際に塗装対象となる表面のことを指します。具体的には、モルタルやサイディングなど、建物の外壁材そのもの、または古い塗膜の表面のことです。
そして、よく混同されがちなのが「下塗り」という工程。これは、仕上げ塗料(中塗り・上塗り)がしっかり下地と密着するようにするための塗装のことです。
外壁塗装における下地の種類
塗装の下地となる外壁材には、主に以下のような種類があります。
モルタル
モルタルは、セメント・砂・水を混ぜてつくられた素材で、職人による左官仕上げや吹き付け仕上げが多く見られます。年月とともにひび割れが発生しやすいため、補修が必要な場合もあるでしょう。
窯業系サイディング
窯業系サイディングは、日本の住宅で最も多く使われている外壁材です。ボード状のパネルを貼り合わせるもので、劣化するとひび割れや変形、目地のシーリングの浮きが目立つようになります。
金属系サイディング
金属系サイディングは、軽量で耐久性にも優れており、外壁リフォームに採用されることの多い外壁材です。サビや傷が劣化のサインとして確認できる場合は、塗装前に丁寧な下地処理を行ないます。
塗装における下地の役割
塗装の下地には、以下のような重要な役割があります。
- 塗料の密着性を高める
- 塗装の耐久性を向上させる
- 美しい仕上がりの土台になる
まず、下地が劣化していたり汚れていたりすると、塗料がしっかりと付かず、早期の剥がれにつながってしまいます。また、塗装表面だけをきれいに整えても、下地にサビやコケが付着していると、そこから外壁の劣化が広がることもあるでしょう。
下地の補修や洗浄を行なうことで、塗装後も長持ちする外壁や屋根が実現できるのです。
そして、下地がひび割れなどで凸凹しているまま塗装してしまうと、上塗り後もその形状が目立ってしまいます。下地をなめらかに整えることで、見た目も均一で美しい仕上がりになるのです。
塗装前の下地処理の内容
塗装工事では、塗料を塗る前に必ず下地処理が行なわれます。主な作業内容について確認していきましょう。
高圧洗浄
外壁や屋根の表面に付着した汚れ・ホコリ・コケ・カビなどを高圧の水で洗い流す作業です。
汚れが残ったままだと、塗料がうまく密着せず、剥がれやすくなる原因に。塗装前の大切な準備作業のひとつです。
ひび割れ補修
モルタル外壁などが劣化した部分には、ひび割れ(クラック)が発生していることがあります。
シーリング材などを使用して補修します。
ケレン作業
ケレンとは、サビや古い塗膜を削り取る作業のことです。
とくに鉄部や金属サイディングには重要な工程で、これを怠ると新しい塗料が浮いたり剥がれたりしやすくなります。
ワイヤーブラシや電動工具を使って、しっかりと表面を整えます。
シーリング補修
窯業系サイディングでは、パネルの継ぎ目(目地)に充填されたシーリングが劣化していることがあります。
これを打ち替えたり、増し打ちしたりして、雨水の侵入を防ぎつつ下地の状態を整えます。
下地に合わせた下塗り塗料の選び方
下地の種類や状態に応じて、適切な下塗り塗料を選ぶことも大切です。主な種類と役割をご紹介します。
シーラー
シーラーは、コンクリート・モルタル・サイディングなどの下地に使用され、塗料の吸い込みを防ぐ役割があります。上塗り塗料の密着性を高める効果も期待できるでしょう。
プライマー
プライマーは主に金属部分など、塗料が密着しにくい素材に使用します。サビ止め効果を持つタイプもあり、鉄部には必須の下塗り塗料です。
フィラー
フィラーは、下地の凹凸やひび割れを埋めて、なめらかな面をつくるために効果的な厚塗りタイプの下塗り材です。モルタル壁などに使われます。
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まとめ
塗装工事において「どれだけ丁寧に下地を整えるか」が、仕上がりと耐久性を左右します。
とくに外壁や屋根の塗装リフォームを初めて行なう方は、「塗装の下地」の重要性を理解しておくことで、業者とのやりとりもスムーズになり、納得のいく工事が行なえるはずです。
下地の種類や状態、そして適切な下地処理を行なってくれる信頼できる業者を選ぶことが、長く快適に暮らすための第一歩になりますよ。 神奈川県(厚木市・愛川町・伊勢原市・平塚市)で塗装工事を営むアイビーリフォームは、丁寧で細やかな下地処理に自信があります。住まいの塗装をご検討の際は、お気軽にご相談ください。